北海道日本ハムと巨人の対戦を見に札幌ドームに行った。外野席に座って周囲を眺める。巨人を応援するオレンジ色が目に付いたのは、ライト側三分の一ほどの席だけだ。残りは、日本ハムを応援する観客でおおむね埋まっていた▼日本ハム移転前の二○○三年、道民に最も好きな球団を尋ねた調査がある。巨人が49%を占めて、日本ハムは1%だった。変われば変わるものだ。ただ、巨人に移籍した小笠原選手へのブーイングは、それほど激しくないように聞こえた。なお親愛の思いはある▼ドームで今も信念を貫く巨人党は筋金入りだろう。日本ハムにはいわば「にわかファン」も少なくない。成績が振るわない今季は、ストレスをためている人が多いのではないか▼じれるのは早い。昨年、交流戦が終わった六月下旬の時点では36勝35敗、首位に5ゲーム差の4位だった。球宴が終わって以降、本拠地で20勝3敗、勝率8割7分と常勝球団になってゆく▼今季快調なソフトバンクは一九八九年に福岡に移転した。何年もBクラスからはい上がれず、ファンが王監督のバスに卵をぶつけたこともある。日本一になったのは十一年目だ▼日本ハムは、移転後三年で優勝したことが奇跡だった。勝負の世界は順風ばかりではない。逆風のとき、どれだけ声援を送れるかでチームの力も変わる。その積み重ねが、筋金入りの応援になるのだろう。
(北海道新聞より引用)
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