2008年1月9日水曜日

新冷凍で食味向上 はまなす財団調査結果 通年供給可能に

新しい超低温急速冷凍技術を使い、道産農水産品の新たな生産、流通システムの可能性を検討していた北海道地域総合振興機構(はまなす財団)は、その調査結果をまとめた。水産品は釧路、根室管内で生産されたカキ、サンマ、毛ガニ、サケの四品目が対象で、いずれも従来に比べ、輸送効率、品質アップが確認できた。新たな設備投資が必要だが、「旬の味」を通年供給することも可能になり、同財団は「地域の雇用安定化、関連産業の活性化などに役立つ」としている。
 この結果について、同財団は十六日、釧路で報告会を開く。
 新冷凍技術は、サーモダイナミックシステムズ(札幌)が開発したもので、零下七○度の急速冷凍で、解凍後も「生」と変わらない品質を保ち、消費電力も従来型と比べ最大50%少ない。
 調査は、二○○六年十月から○七年二月にかけて行われた。新冷凍技術で羅臼のサケ、釧路のサンマ、カキ、毛ガニを凍らせ、凍結後すぐのものと、二-四カ月保存後のものに分けて、東京へ運んだ。比較のため、従来型の冷凍保存技術や冷凍トラックでも実施した。
 その結果、一部を除き、新技術を使った方が解凍後の食味、輸送コスト面で評価が高かった。
 この結果を受けて、同財団は「(サンマは)鮮魚と同じ高品質で、より安全・安心な状態で年間を通じて出荷調整が可能になる」「夏場のカキは貝毒発生など、衛生管理に注意が必要だが、新技術の冷凍によって、高品質で貝毒のない安全なものを夏の観光シーズンにも提供できる」などとメリットを挙げている。
 ただ、一日十トンのサンマを凍結できる冷凍庫で約三千五百万円(設備費のみ)かかるなど、新たな投資も必要となる。
 報告会は釧路開建の主催で、十六日午後一時半から、釧路市幸町一○の釧路地方合同庁舎五階会議室で。はまなす財団担当者が報告し、質疑応答を行う。無料。だれでも参加できるが、事前に同開建地域振興対策室((電)0154・24・7000内線3429)へ連絡が必要。

(北海道新聞より引用)

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