中国製冷凍ギョーザ中毒事件の影響を受け、道内でギョーザ具材のニラが高騰している。札幌の市場では事件後、卸値の最高価格が通常の二倍以上となった日もある。外食産業などが中国産から国内産に一斉に変えたことや、今冬の寒さによる出荷遅れで品薄となり、消費者の懐を直撃した形だ。
札幌市中央卸売市場のニラの卸値は、中毒事件の発生後、上昇傾向に転じ、二月上旬の平均価格は一月末より24%高い百グラム八二・九円に高騰。十二日には同二一○円の最高価格を記録。その後は徐々に下がっているが、なお高値が続いている。
高騰の背景には、事件後、東京や大阪などの大市場に外食産業や加工業者などからの注文が殺到し、品不足を補うため、本州から札幌に買い付け注文が相次いだことがある。
さらに寒波などの影響で、主産地の渡島管内知内町と福島県での収穫最盛期が遅れ、二月上旬の入荷量が前年比四割減となったことが拍車をかけた。
札幌市中央卸売市場のニラ集荷量の七割以上を扱う丸果札幌青果は「ギョーザ関連の需要増と品薄のダブルパンチが響いている」(野菜第二課)と語る。
道内一のニラ生産量を誇る知内町では今、一年で最も味のいい春ニラの収穫最盛期が目前だ。ビニールハウスの中で、青々としたニラがすくすく育つ。同町ニラ生産組合の石本顕生組合長(54)は「価格上昇は一過性のもの。消費者が『高値疲れ』を起こし、消費が落ちる方が不安」と表情を曇らせる。
これを裏付けるように、消費者からは「ニラの高騰は、やっぱりかという感じ。手作りギョーザは当分やらない」(苫小牧市の主婦)といった声も出ている。
市場関係者は、今後の価格については「各地からの出荷が本格化する月末以降、平常の相場に戻るのではないか」と話している。
(北海道新聞より引用)
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